水菜の煮たやつ 佐藤寛之 ボーイズラブ文庫


「あっ…あっあっ、フッ、ウ…っ」。安芸もまたストーブのない部屋で温かさが欲しかったのだろう。と言うと、彼は身体を震わせた。とびきりの美女をその腕に抱いたとしても、様になる体だった。「で、も……お風呂、入りたい」。イギリス南東部の港町ブライトン。

「それはおまえが浮気するからだろ?」。もしも竜二が少しでも佳也を愛しいと思っているなら、二人の間を妨げているのは自分だと、薫は唇を噛みしめた。「んっ!」。ふいに、予期しなかった力で背中を掻き寄せられ、無抵抗に広い胸の中へ倒れ込む。「いくたま、たるたま、まかるがえしのたま、ちがえしのたま、へみのひれ、はちのひれ、くさぐさのもののひれ、ふるべ、ゆらゆらとふるべ」。連はいつもとは違うきつい口調で告げると、瞼を閉じて京に顔を近づけた。

「兄弟、で……おかし……っ」。

「ふううっ」圧迫されていたものから解放されて、伊央はほうっと吐息をつく。もっとも、その頃は我が身にこんな事態が降りかかるとは思っていなかったが。楢崎は妖しげに笑うと、渚の手をひと掴みにして頭上でまとめた。「顔もイケてる。よし、決めた」。

「大丈夫?」。「だから!店が忙しすぎて、それどころじゃなかったって」。ジェレミーは両手を僕の顎に当て、自分のほうを向かせた。そう、昨夜、仕事から帰ってきたジェレミーは、夕飯も食べずに荷物だけ持ってふいと出かけてしまったのだ。僕の全身が、淡い金色の光に包まれていた。逆らってはいけないと聞いていたのに、華南はつい口答えをしてしまった。同時に、自分がもうそんなに高ぶっていたことにも初めて千秋は気づいた。

ひゃあっ、と、叫ぶ間もなく身体が宙に浮く。(な……なんだ!?なんなんだ!?)反射的に逃げを打つ俺の舌を執拗に絡め取り、江南は俺の口の中を、思いきり蹂躙《じゅうりん》し始める。


ボーイズラブ小説作品紹介


エリートリーマンの真崎と倫章は人目を偲ぶ、社内恋愛真っ最中の恋人同士。高校時代から続いたすったもんだの紆余曲折を乗り越えて、同棲までこぎつけた二人。そこにはバラ色の新婚生活がっ。と、思ったのもつかの間、同僚やら真崎の前の女やら新しい女やらが次々に割り込んでくる。その上、海外赴任だってぇ?リーマンラブの最高峰「いつもシリーズ」。待望の第3弾。お約束、新婚甘々エッチもお見逃しなく。

タイトル:いつもお前を愛してる
著 者 名:綺月陣
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:オークラ出版

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