キ・セ・キ 森且行 BL小説
「まさか。俺にも選ぶ権利はある」。
「俺も、心底慌てたよ、あんたから電話があったとき。何があったのか、さっぱりわからないんだもんな」。ハーコンの好む幅広の剣を捨ててまで、反りのある細い、片刃の剣を使う男。「ホントだよ。マリは可愛い。初めてマリを見た時から可愛いと思ってたよ」。宥(なだ)めるような江南の声にも、篤臣はしばらく黙りこくっていた。と、眼前に立った化物に、剣を振るおうしとたハーコンの手が一瞬止まった。実際、口と声は笑っていても、ジェレミーの目は真剣そのものだった。
「…はぁぁぁぁぁっ?あんた、小児科の医者ぁ!?」。だがジェレミーは、人と深い絆(きずな)を結ぶことを拒み、期間限定の同居人として航洋を扱った。
いくらか冷静になってみると、キスの件はともかく、暴徒から助けてくれた紅仁に自分のほうこそ失礼なことを言ったのではないかと気になってくる。いたずらっぽく囁くと、彼が細い肩を上下させながら憮然と言った。恥ずかしい、と口の中で呟くように言うと、司野は右眉を皮肉っぽく吊り上げた。この腕の中に、一番必要だったものが収まる感触。それなのに、抗うどころか、広い肩に手をまわして、さし入れられた舌に応え、甘い吐息さえもらしている。篤臣は、初めて身体の力を抜いた。いつもと違って鋭い痛みがそこに走って渚は声をあげた。
瞳を覗き込むように凝視していると、突然男の顔が近づいてきて唇を触れ合わせてきた。それで、キスシーンは終わるはずだった。だいたい、いくらオカマ相手だって、果たして自分に男同士の恋愛なんてできるんだろうか。ぜいぜいと喉を鳴らし、至近距離にある江南の端正な顔を凝視するのがやっとだ。
ボーイズラブ小説作品紹介
冬休みにミラノを訪ねた飯島は、滞在を延ばしたトオルを残し、一足先に帰国した。しかし、離れ離れの数日間を過ごした後、東京に戻ってきたトオルの様子は、どこか落ち着かないものだった。ミラノで起きたちょっとしたトラブルを、トオルは内緒にしていたかったのだが、親友の広伸が友人たちに話してしまう。事実を知らされない飯島は、周りの不自然な態度に疑いを持ち……。
タイトル:終わらない週末ギブ・アンド・テイク
著 者 名:有馬さつき
レーベル:アズ・ノベルズ
発 行 元:講談社
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森且行の最新関連情報
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