トラジ・ハイジ 佐藤寛之 少年愛小説


「うん。あったかい」。嫌味なほど手入れの良い、長い指で細い顎を撫でている。隙(すき)をつかれて押し倒されてしまったが、これ以上のことは絶対にさせないという覚悟である。息を飲んだのは、海だったのか、それともミカルだったのか―次の瞬間、ひと思いに指を引き抜かれて、海は寝台の上に押し倒されるのと同時に貫かれていた。

長い先生の前髪が、僕の額にさわさわと当たっていて、くすぐったい。低くつぶやいたかと思えば、二の腕を掴まれて引き寄せられた。大切にしたいのに、できない。飛を遠ざけようと縛られた腕を振り回したが、片手で簡単に押さえられ腹を殴られた。……まあ、べつだんどちらでもかまわないのだけれど。本社ビルの地下駐車場に車を置いた後、ふたりはすぐにエレベーターに飛び乗って十八階にある会議室に急行した。

密着している逞しい身体が僅かに震えたのを感じ、調子に乗ってさらにそこをぺろりと舐めてみる。

夏波は身体を強張(こわば)らせて、大きな瞳を益々大きく見開いてじっと英俊を見詰める。「可愛いなんて…」。ずるずると長いローブもかなぐり捨てる。堂島の瞳を、深い影がよぎった。

なだめるように、八紘は大日向の腕に手をかけた。あまり笑わない唇が、こんなにも饒舌《じょうぜつ》なキスをするなんて。

身体の奥まで熱いもので貫かれて、芙由希はブルブルと震えて宝にしがみついた。それで、キスシーンは終わるはずだった。本社ビルの地下駐車場に車を置いた後、ふたりはすぐにエレベーターに飛び乗って十八階にある会議室に急行した。「あのっ…」。サバンナをうろつくにしては軽装な男の格好から、里希はそんな想像をした。友孝を見下ろす長瀬は、飄々(ひょうひょう)とした口調で言い返してくる。「柚月が俺を?」。


ボーイズラブ小説作品紹介


一目惚れで恋に落ち、理想的な同棲生活も二ヶ月を迎える真樹雄と裕也。何の約束もない二人の関係を安定させるため、カミングアウトして周囲の理解を得ようとする真樹雄に対し、裕也はその先走る勝手さを責める……。不安も感動も愛しさも、詰め込まれた一週間。七日間シリーズ第二弾!

タイトル:ドラマティックな七日間
著 者 名:剛しいら
レーベル:アズ・ノベルズ
発 行 元:ごじらん堂本舗

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